土地地積更正登記

土地地積更正登記とは、登記簿上の土地面積を正しい面積に修正するための登記です。

登記簿の起源を辿っていくと古くは明治6年の地租改正まで遡る必要があります。当時の面積は自己申告制であったこと、縄を用いた測量技法だったことなどから、現在の最新鋭の測量技術を用いた専門家による測量結果との間で面積の差異が生じることが多くあります。明示6年以降、現在に至るまでの間に新たに分けられた土地や測量が実施された土地、区画整理が実施された土地等も例外ではなく、やはり測量技術の進歩や登記規準の改正等様々な要因により登記簿上の面積と実際の面積が異なる場合があります。

土地地積更正登記をするためには、隣接地所有者等との立会や関係官庁への境界明示申請により土地境界を確定させる必要があります。(復元性のある図面が備わっており境界標識が残存している等一定の条件を満たす土地を除きます。)なお居所や連絡先の不明な隣接地所有者様の捜索、立会時の説明、境界明示申請手続きの代理等の境界確定に伴う業務は土地家屋調査士が行いますのでご安心ください。

土地地積更正登記により土地の面積や隣接地との境界を明確にすることで、後発的な境界トラブルの防止に繋がるとともに、土地売買・遺産分割等の円滑化にも役立ちます。また近年増加しており今後も発生の見込まれる地震・津波・火災等の災害時において、自身の土地を保全することにも役立ちます。

土地分筆登記

土地分筆登記とは、1つの土地を複数の土地に分けるための登記です。

土地分筆登記をするためには、原則として隣接地との土地境界を確定させる必要があります。分筆後のすべての土地について正確に求積をする必要があるからです。前述の土地地積更正登記と同様、境界確定に伴う業務は土地家屋調査士が行いますのでご安心ください。

土地分筆登記により、土地の一部を売却したり、土地の一部に抵当権を設定したり、複数人の共有状態である土地を分割してそれぞれ単有の土地にしたりと、様々な方法で不動産の効果的な活用が可能になります。

土地合筆登記

土地合筆登記とは、複数の土地を1つの土地にするための登記です。分筆登記の逆ですね。

土地合筆登記をするためには、合筆する複数の土地が隣り合っていること、地目及び地番区域が同一であること、所有者が同一であること、所有権の登記以外の権利に関する登記(一部例外を除く)がないこと等の条件があるため、どの土地でも自由に合筆できるわけではありません。(不動産登記法第41条を参照。)

また、土地合筆登記には原則として合筆する土地の権利証(登記識別情報)の添付が必要となります。権利証(登記識別情報)をお持ちでない場合でも資格者代理人による本人確認や所有権登記名義人への事前通知等により登記をすることが可能ではありますが、日数や費用を余分に要することとなりますので、まずは一度どこかの引き出しに権利証が眠っていないかお探しいただくようお勧めいたします。

土地合筆登記により、謄本等の取得費用の削減、住所変更や地積更正、相続に伴う所有権移転等など今後発生する登記の簡略化および費用削減といった様々なメリットが得られます。また前述の土地分筆登記と組み合わせることで、いびつな形状の土地を一つに合筆し新たに区画することも可能となります。

土地地目変更登記

土地地目変更登記とは、土地の用途が変更した際に登記簿上の地目を現況に合うように変更するための登記です。

不動産登記法上は、土地の地目について「変更があった日から一月以内に・・・変更の登記を申請しなければならない」「申請を怠ったものは10万円以下の過料に処する」と定められています。(不動産登記法第37条・第164条から抜粋。)ですから、例えば宅地上の建物を取り壊して駐車場として利用する場合は、地目を宅地→雑種地に変更する土地地目変更登記を申請する義務が生じることになります。もっとも、地目変更登記を怠ったことで過料を科された事例は今のところ無いようですが...。

ちなみに地目は私たちが好き勝手に決められるわけではなく、田・畑・宅地・学校用地・公衆用道路など23種類の中から定めるものとされています。(不動産登記規則第99条を参照。)また一筆の土地に複数の地目を定めることはできませんので、一筆の土地の中で用途が複数になる場合は前述の土地分筆登記と組み合わせて土地地目変更登記を申請する必要があります。

なお、田や畑といった地目の土地は農地法上で保護されており自由に地目を変更できないため注意が必要です。田や畑などの農地を農地以外の地目に転用する場合には、土地の現況や地域等に応じて農地転用届出や農地転用許可、非農地証明といった手続きが別途必要になります。こうした手続きを経ずに農地転用をした場合、土地地目変更登記が申請できないだけでなく農地法により原状回復命令が発せられる可能性もありますので、地目が農地である土地の転用や売買を検討されている場合は土地家屋調査士や行政書士といった専門家に一度ご相談なさることをお勧めします。

土地地目変更登記によりご所有の土地を正しい地目で登記することで、法律上の義務を果たすとともに、売却時や相続時の土地取引の円滑化を図ることが可能となります。

土地表題登記

土地表題登記とは、新しい土地が生じた時や表題登記がない土地を初めて登記する場合に行う登記です。

具体的には、公有水面(国が所有する河川や海など)が埋め立てられた場合や海底隆起などにより新たに土地が生じた場合、里道や水路などの登記記録がない公有地の払下げを受けた場合などが該当します。

周期的に解体と建築を繰り返す建物とは異なり、これまで存在していなかった土地が新たに生じるというのはなかなかイメージしづらいですよね。実務でも他の登記と比べるとそう多く申請する機会がない登記です。